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復興工事は言い値になりうる 環境省の検査「おざなり」 - 朝日新聞デジタル

 「マルサ」と呼ばれる仙台国税局の査察官が今年2月、鹿島の下請け企業への一斉調査に乗り出した。マルサは通常の税務調査ではなく、1億円以上の所得隠しが疑われ、刑事告発を前提にした強制調査を担当する。下請け企業が示された捜索差し押さえ令状には、鹿島東北支店営業幹部の「所得税法違反」と書かれていた。

拡大する写真・図版歪んだ復興マネー デザイン・加藤啓太郎

 マルサが狙う支店幹部は、福島県富岡町の復興工事を請け負う共同企業体(JV)の所長を務めていた。工事の契約金額は当初20億円余りだったが、追加工事を理由にした変更が行われ、46億円余りに倍増。工事費の一部が裏金として下請けから支店幹部に流れた疑いが持たれている。

 この支店幹部について、ある下請け業者は「工事の変更の書類作りが非常にうまいと定評があった」と語る。

【連載】歪んだ復興マネー
復興事業の現場で異常な接待が繰り返されている…。建設業界から伝わる声をもとに取材を進めると、不正経理による裏金作りの実態が見えてきました。連載形式で背景や構造を解き明かします。

 「変更は当初契約額の3割増までが普通で、2倍以上は本来なら分けて発注する」。そう語るゼネコン幹部は、「大型の公共工事に不慣れな環境省が、復興の現場で業者側の要求を追認するケースが目立つ」と指摘した。

 「工事費が適正に使われている…

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