東京商工リサーチによると、山形県で唯一の百貨店を運営する大沼は1月27日、山形地裁に破産を申請した。
江戸時代の元禄13(1700)年創業の老舗百貨店。本店に加え、1967年に酒田店(1974年閉店)、1970年米沢店(2019年閉店)、1971年酒田中町店(1976年閉店)と順次出店し、地域に根ざした百貨店として地盤を形成。1993年2月期には売上高196億6219万円をあげていた。
しかし、郊外型の大型店舗の台頭や人口減少、消費低迷、隣接の仙台市内の店舗との強豪などから業績が悪化し、2001年2月期の売上高は143億6736万円まで低下し、赤字へ転落した。
人員削減を含め経費圧縮など立て直しを進めたが、業績悪化に歯止めが掛からない状況が続いた。金融機関の支援を受け営業を継続していたが、2018年4月に事業再生を手掛ける投資ファンドのマイルストーンターンアラウンドマネジメントが、発行済み株式の全てを取得。体制を刷新し、抜本的な再建に着手した。しかし、マイルストーンの出資金の使途などを巡り、金融機関や従業員との関係が悪化し、思うように再建は進まなかった。
マイルストーンと大沼の代表取締役(当時)に十分な情報が提供されない中、2019年3月に電撃的に臨時株主総会が開催され、大沼の執行役員らが出資する大沼投資組合が経営権をマイルストーンから奪取。大沼投資組合や地元支援者による経営と再建がスタートした。同年8月に米沢店が閉店するなどリストラを進めたものの、資金繰りが限界に達し、今回の措置となった。
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January 27, 2020 at 08:36AM
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