民間委託のあり方が問われるきっかけになった持続化給付金の問題。経済産業省は見直しをアピールするが、業務を担う業者を2割しか明かさず事業の全体像はいまも見えない。過去の民間委託をめぐり、経産省が税金の使い道を示す資料に業務を担う広告大手電通の社名を記載していないケースがあることも判明した。持続化給付金の委託先は9月1日に変わったが、問題の解明はこれからだ。
「どういうビジネスモデルになっているのかと行政事業レビューシートを集めたが、外注先として電通の社名が出てこない」
2日の衆院予算委員会で、立憲民主党の川内博史氏はこう経産省を追及した。
経産省の民間委託において、電通はサービスデザイン推進協議会など複数の一般社団法人を通じて再委託・外注を受けている。この5年余りで少なくとも72事業約1415億円に上る。多額の事業を担っているのに、お金の流れなどを記す資料「行政事業レビューシート」に社名がほとんど出てこないというのだ。
拡大する持続化給付金の申請サポート会場の看板。全国各地に設置されているが閉じるところも相次ぐ
無駄遣いチェックの資料に記載なし
行政事業レビューは税金の無駄遣いをチェックするために民主党政権が導入し、安倍政権も引き継いだ。各省庁は民間委託に限らず、原則全事業について年度ごとにシートをつくる。
政府の作成要領では委託先の社名をシートに記載することになっている。不利益を及ぼす恐れがある場合などは省略できるが、経産省は電通の事例がこの条件に当てはまるかどうか明示していない。
仮に社名を匿名にする場合でも、委託先の法人格が「株式会社」であることを記載しなければいけない。
松本洋平経産副大臣は予算委の…
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