Search

米最大の公的年金、中国系米国人の運用トップが辞任 - 日本経済新聞

【ニューヨーク=宮本岳則】米最大の公的年金基金、カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)は5日、最高投資責任者(CIO)で中国系米国人のベン・メン氏が同日付で辞任したと発表した。「健康と家族のために集中する」としている。同氏を巡っては中国との関係を理由に一部の共和党議員が圧力をかけていた。

カルパースは中国株投資を巡り圧力を受けていた(カリフォルニア州の本部)=ロイター

カルパースは中国株投資を巡り圧力を受けていた(カリフォルニア州の本部)=ロイター

米カルパースのCIOを辞任したメン氏=カルパース提供

米カルパースのCIOを辞任したメン氏=カルパース提供

発表文によると後任は決まっておらず、当面は副CIOのダン・ビエンベニュー氏が暫定的に運用部門のトップを務める。メン氏は2019年1月にCIOに就任したばかりで、わずか1年半での辞任となる。運用総資産4107億ドル(約43兆円)のカルパースは運用成績の向上に向けて、同氏の下でポートフォリオ見直しに着手していた。突然の辞任劇で改革の停滞は避けられない。

メン氏は中国生まれで米国の市民権を持つ。米金融大手モルガン・スタンレーなどを経てにカルパースに参画し、約7年間、債券運用を担当した。15年に中国の国家外為管理局(SAFE)に移籍し、副CIOを約3年間務めていたが、カルパースの新CIOとして白羽の矢が立ち、19年に復帰していた。

カルパースは年金積み立て不足解消が長年の課題になっていた。メン氏は7%という高い目標運用利回りを達成するために、未公開株(PE)ファンドへの資金配分を増やす方針を打ち出したほか、借り入れによってレバレッジ(テコ)を効かせる案を示していた。メン氏の方針に一部の役員会メンバーから「リスクが高すぎる」との指摘が出ていた。

メン氏と中国との関係を巡って圧力をかける動きもあった。インディアナ州選出で対中強硬派のジム・バンクス下院議員(共和党)は2月、メン氏が中国共産党中央組織部の海外高度人材招致プログラム「千人計画」の認定を受けているとして、カリフォルニア州のニューサム知事に書簡を送り、メン氏と中国共産党との関係を調査するよう要請した。

千人計画を巡っては米連邦捜査局(FBI)がスパイの可能性で一部を監視対象にしているとされる。米メディアによると当時、カルパースはバンクス議員の調査要請について「米国市民に対する許されない攻撃だ」との声明を出し、メン氏を擁護していた。

米中対立は公的年金にも飛び火している。ポンペオ国務長官は2月、カルパースのような各州の公的年金に矛先を向け、「中国人民解放軍に製品を納入している企業に投資している」と批判していた。連邦職員の確定拠出年金を管理する連邦退職貯蓄投資理事会(FRTIB)は5月、トランプ政権から圧力を受けて、中国株への投資計画を取り下げた。

Let's block ads! (Why?)



ビジネス - 最新 - Google ニュース
August 07, 2020 at 01:39AM
https://ift.tt/2XyFDhS

米最大の公的年金、中国系米国人の運用トップが辞任 - 日本経済新聞
ビジネス - 最新 - Google ニュース
https://ift.tt/2Q4ENIK
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini

Related Posts :

0 Response to "米最大の公的年金、中国系米国人の運用トップが辞任 - 日本経済新聞"

Post a Comment

Powered by Blogger.