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NY原油 史上初のマイナス価格、先物に売り - 日本経済新聞

ニューヨーク市場に上場する原油先物のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が20日に、取引中心の期近の5月物が史上初めて「マイナス」となった。新型コロナウイルスの感染拡大を抑える対策で経済活動が停滞し原油需要が急減しているうえ、WTIの決済手段も影響している。異例な値動きの背景を読み解いた。

米国の原油引き渡し場所の貯蔵余力は限界に近づく(米オクラホマ州・クッシング)=ロイター

米国の原油引き渡し場所の貯蔵余力は限界に近づく(米オクラホマ州・クッシング)=ロイター

Q なぜWTIがマイナス価格になったのか。

A 将来の期日に決済する取引である商品先物の一つであるWTIは、6月、7月など月ごとに決済日が設けられ売買されている。4月21日に5月物の決済日を控え、先物を買っている人はこの日までに先物を売って決済しなければ、原油そのものを受け取る必要がある。

先物市場には原油の現物取引での価格変動による損失を抑えるため石油会社や製油所といった実需家だけではなく、先物の値上がりや値下がりで利益を狙うファンドなど投資家も参加する。需要急減でWTI原油の受け渡し場所の貯蔵施設は満杯になるのが迫っている。

石油業者ではなく原油自体を受け取りたくない投機筋を中心とする投資家は決済日が迫るなか、5月物の売りを急いだ。一方、貯蔵施設を手当てできないことから製油所などの買い手がなかなか現れず、価格はマイナスに沈んだ。先物の売り手は、誰かにお金を支払って引き取ってもらった形だ。

Q 原油連動の上場投資信託(ETF)や上場投資証券(ETN)はどんな影響を受けたのか。

A 原油ETFは保有する原油先物を基にして作られる投資信託、原油ETNは裏付けとなる資産を持たず、金融機関が自らの信用力で発行する原油先物指数連動の債券だ。

決済を迎える前に、先物の乗り換えを進め価格急落の一因となった米国最大の原油ETF「USオイルファンド」は新規の発行を停止。クレディ・スイスは発行するETNの価格がゼロになったと発表した。

Q 先物ではロンドンに北海ブレント原油、東京にドバイ原油があるが、マイナスになっていない。

A WTIとは決済方法が違い、北海ブレントやドバイ原油は先物を買っている人が決済せずに期日を迎えた場合でも現物の引き渡しは行われずに、先物が売られ取引が終了させられる。北海ブレントの6月物は4月30日に決済日が迫るが、現物を受け取る必要はないので、投資家の投げ売りによるマイナス価格にはなりにくいとみられる。

Q 実需家は北海ブレントをどのようにつかっているのか。

A たとえば石油会社は生産した原油を将来に販売する際、原油安による損失を軽減する手段として先物市場に参加する。先物を売っておけば、決済日までに原油の現物に連動して先物価格が下落していると、安くなった先物を買って決済すれば利益を確保できる。現物の損失を先物の利益で一定程度カバーすることが可能だ。(飛田雅則、二瓶悟)

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