
関西電力の役員らが、福井県高浜町の元助役・森山栄治氏(故人)から多額の金品を受け取っていた問題を調査していた第三者委員会(委員長=但木敬一・元検事総長)は14日、1987年以降、75人が総額約3億6000万円相当の金品を受領していたとの報告書を公表した。関電側は森山氏の要求に応じて関連企業に発注するなどの便宜を図っていたと認定。「ガバナンス(企業統治)が機能しなかった」と厳しく批判した。
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第三者委員会は、削除された電子データを復元する「デジタル・フォレンジック」という技術を駆使し、計40万件に及ぶ電子データを分析した。関西電力の幹部同士のメールのやりとりからは、森山栄治氏が再三、自身の関係する事業者に工事を発注するよう露骨に迫り、関電が要求に応じるいびつな癒着関係が明らかになった。
報告書に出てくる森山氏の関連企業は、建設会社「吉田開発」(福井県高浜町)、警備会社「オーイング」(同)、建設会社「塩浜工業」(同県敦賀市)、メンテナンス会社「柳田産業」(兵庫県高砂市)の4社で、顧問料などの報酬を得ていた。
2012年4月22日、関電高浜原子力発電所(福井県高浜町)の長谷泰行所長(当時)が、関電本社の副社長でもある豊松秀己・原子力事業本部長(同)らに送ったメールには、「先生」と呼ぶ森山氏から電話で伝えられた内容がこう記されていた。
〈先生から電話があり、いつもながらの工事要求〉
工事とは、森山氏が顧問を務めたとされる吉田開発へ発注する工事のことで、続くメールには「
このメールの3日後の4月25日、長谷氏が豊松氏らに送ったメールでは、4月24日に森山氏と会った際、森山氏に〈工事(4000万円)を提案し、了解(された)〉と報告。2通のメールからは、森山氏に関し、〈物足りない?様子〉〈至極ご機嫌〉〈この程度か、との感触を示された〉など、森山氏の機嫌や言動を終始気にかけている様子が浮き彫りとなっている。
第三者委は、こうした森山氏の要求に関電側が次々と応じ、事前の情報提供や発注を約束した工事件数は120件以上に及んだと認定。さらに森山氏が吉田開発から工事受注の増えた謝礼として総額約3億円の金銭を受け取っていたとも指摘した。
森山氏が相談役を務める柳田産業に絡んだメールの内容も明らかになった。
13年10月、同社から関電原子力事業本部の鈴木聡・副事業本部長(当時)に宛てたメールには、森山氏の意向として〈これ(28億円)では会社は困るので(中略)何とか(平成)25年度並みの34(億円)を目標にしてくれないか〉などと記載。
発注予定額の増額を関電に要求する内容だった。関電は、こうした発注予定額について、14年に高浜原発所長の長谷氏が作成した引き継ぎ資料で「年間ノルマ」と記載していた。
柳田産業には05年度以降、年約25億~55億円の工事を発注。事業者を指名して発注する「特命発注率」は約99%に達した。第三者委は、こうした発注プロセスについて「適切性や透明性を
ただし一連の調査では、デジタル・フォレンジックで復元できたのは10年代の電子データが中心で、それ以前はヒアリングを実施。以前から関電が森山氏に特別な配慮をしたと認めたが、森山氏含め、関係者は死亡している者も多く、森山氏が最終的にどの程度の金額を受け取っていたかなどについては「不明」として調査の限界も認めた。
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March 15, 2020 at 08:28AM
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いい話持って来い・この程度か…元助役、関電幹部に - 読売新聞
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