トイレ紙やティッシュ
紙製品 デマ拡散で品薄 業界「供給量十分」 県内
2020年3月1日（日）（愛媛新聞）
誤った情報の拡散などにより、トイレットペーパーの売り切れが出ているドラッグストア＝２９日午後、松山市
誤った情報の拡散などにより、トイレットペーパーの売り切れが出ているドラッグストア＝２９日午後、松山市
新型コロナウイルスによる肺炎の感染が全国的に拡大する中、会員制交流サイト（ＳＮＳ）などを通してマスクに続き紙製品が不足するとの根拠のないデマが広がり、愛媛県内のドラッグストアやスーパー、ホームセンターなどでもトイレットペーパーやティッシュペーパーが軒並み品薄となっている。業界団体は需要を満たす十分な供給量と在庫を確保していると説明し、経済産業省も「安心して落ち着いた行動を」と呼び掛けている。
レデイ薬局（松山市）によると、２８日午後から購入者が増えた。「品切れになっている店舗もある」と担当者。フジ（同）でも２７日から一気に購入の動きが活発化したといい、担当者は「欠品の店舗が多い。お客さまに迷惑を掛けないよう手配しているが、急な動きのため配送が追いつかない」とこぼした。
２９日午後、松山市中心部の商店街では、ほとんどのドラッグストアでトイレットペーパーやティッシュの商品棚が空っぽとなり、「完売」や「入荷待ち」などの張り紙で告知。在庫がある店舗でも「１家族１点限り」と購入制限をかけていた。
トイレットペーパーがなくなり同市内の薬局に足を運んだ会社員の女性（３６）は、商品が消えた棚を前に「違う店舗でも売り切れていたのでこっちにも来てみたんだけど…」と戸惑い顔。同市の主婦（６８）は「間違った情報で買い占めが起きてるというニュースを見た。一時的なものと聞くのに、本当にこんなふうになるなんて」と驚いていた。
今治市でも複数のドラッグストアで品薄状態となっており、各店は購入制限をかけて対応。女性店員の話では、先週中ごろから購入者が急増したといい「現在は品薄だが入荷に滞りはなく、市民生活への影響は一時的なのでは」とみる。
ただ、品切れで購入できなかった市内の４０代の主婦は「紙製品の不足がデマと知ってはいるが、必要なときに手に入らないのではという不安が拭えない」と足早に次の店に向かった。
日本家庭紙工業会によると、トイレットペーパーやティッシュは、ほとんどが国内工場で生産されており、現在も通常通りの生産・供給を実施。原材料調達も中国に依存しておらず、製品在庫も十分にあるとしている。
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