【ワシントン時事】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は28日、緊急声明を発表し、「景気を下支えするために適切に行動する」と表明した。
新型コロナウイルスによる肺炎の拡大で金融市場の混乱が収まらない中、追加利下げを再開する可能性を示唆した。
FRBは3月17、18両日に金融政策会合を開く。ただ、世界株安連鎖に歯止めがかからず、金融システムの安定性が揺らぐ恐れが出ている。市場の動揺が実体経済に波及する事態を回避するため、政策会合前の緊急利下げも排除しない構えを見せた。
パウエル議長は声明で「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は引き続き強固だ」としつつ、新型コロナウイルスが「リスク」だと明言。景気の腰折れにつながると強い警戒感をにじませた。
その上で「FRBは状況の進展と景気への影響を注視している」と強調。景気が失速すると判断すれば、「政策手段を用いて適切に行動する」として、追加利下げにより市場の安定化を図る姿勢を明確にした。
新型肺炎については、米国でも「感染が広がるのは時間の問題」(疾病対策センター=CDC)との懸念が強まっており、米経済の7割を占める個人消費が崩れかねない状況にある。
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