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トヨタ:北米の収益性上がらず、幹部に危機感-販売奨励金抑制に苦心 - ブルームバーグ

世界の自動車市場で厳しい環境が続く中、 トヨタ自動車は通期の営業利益見通しを上方修正して底力を見せつけた。一方、感染が拡大する新型コロナウイルスの影響は見通せておらず、不透明な要因は残る。

  トヨタは6日、今期(2020年3月期)の営業利益見通しを前期比1.3%増となる2兆5000億円に上方修正すると発表した。従来予想は同2.7%減の2兆4000億円と前期から減少を見込んでいたが一転して増益となる。為替変動が寄与した他、原価改善や営業面の努力などが貢献した。市場予想の 平均値はやや下回った。

Inside The 2018 New York International Auto Show

トヨタのRAV4

Photographer: Mark Kauzlarich/Bloomberg

トヨタ3Q決算の要旨
通期見通しを修正
  • 売上高:29兆5000億円→(従来予想同、市場予想平均30兆1223億円)
  • 営業利益:2兆5000億円↑(従来予想2兆4000億円、市場予想平均2兆5694億円)
  • 純利益:2兆3500億円↑(従来予想2兆1500億円、市場予想平均同2兆3272億円)
10-12月実績
  • 売上高:7兆5445億円(市場予想平均7兆4208億円)
  • 営業利益:6544億円(同6437億円)
  • 純利益:7380億円(同5605億円)

  ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の吉田達生アナリストは、これまでに発表された三菱自動車やマツダの決算に比べるとトヨタの数字は「光っている」と評価。さらに同社の日本や北米の1ー3月の売上台数予測は保守的で上振れ余地があるとの見方を示した。

  米中貿易摩擦などによる世界経済の減速といった要因で、自動車各社は厳しい事業環境に直面している。4日には米自動車メーカーのフォード・モーターが市場予想を大きく下回る20年の利益見通しを示し株価が 急落した。さらに世界最大の自動車市場である中国で感染が広がる新型コロナウイルスが各社の生産や販売に与える影響は見通せておらず、今後も株価の重しになる可能性がある。

  トヨタの 発表資料によると、従来の予想に対して為替相場がドルで450億円、ユーロで200億円の増益要因となる見通し。同資料によると、通期の為替レートの前提を1ドル=108円、1ユーロ=121円と従来予想からドルで1円、ユーロで3円の円安方向に修正した。

  トヨタは通期の連結販売台数見通しは従来の895万台を据え置いた。従来予想と比べてアジアで2万台減少を見込むものの商品単価が高い北米で2万台増加するため差し引きゼロとなる。

原価改善も

  トヨタのディディエ・ルロワ副社長は都内での会見で「数カ月前に多くの人々は米国マーケットはすぐに減速する、縮小すると予測したが、実際には起こってない」と述べた。一方、アジア市場については「多くの国で苦労が続いている。今の段階ではこの地域では改善の兆しは見られない」と語った。

  ルロワ氏は世界の自動車市場は中長期的には年率2%程度の成長を続けると予想しているものの、20年については前年比で縮小すると見ていると話した。その上で、市場が縮小する中でもトヨタの20年の販売台数は増加するとの見通しを示した。

  10-12月期は売上高、利益ともに事前の市場予想を上回った。収益性改善が課題だった北米では売上高がやや減少したものの営業利益が932億円と前年同期比で5倍以上となり、復調が明確になり始めている。

  ルロワ氏は北米市場について、「かつては北米は非常に利益が上がっていた。ところがここ2、3年の収益性は若干低下していた」とした上で、販売経費の抑制などの取り組みやコスト構造の見直しといった長期的な取り組みが「ようやく結実した」と語った。

  トヨタの 株価は午後の取引で上げ幅を拡大。一時15年8月12日以来の日中高値となる前日比4%高の8026円まで値を上げ、7914円で取引を終えた。

  楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ・ストラテジストは、通期利益の上方修正は為替変動の押し上げ効果だけでなく、原価改善や営業面の努力の効果も引き続き表れたことが市場に好感されていると評価した。世界の自動車販売が2年連続でマイナスとなる中で、前期比で増収増益となる見通しを示し、トヨタの底力を確認する決算になったと話した。

中国製部品を精査

  トヨタが得意とするハイブリッド車(HV)について英国政府が35年までに販売を禁止する 方針を示したことについて、ルロワ副社長は二酸化炭素排出量の削減にはハイブリッドを含めたさまざまな技術の組み合わせが必要との認識を示した。販売禁止となれば英国の客と世界中の自動車メーカーにとって大きな問題になるとも述べた。

Toyota Boosts Forecast As Quarterly Earnings Top Estimates

会見後、記者の質問に答える白柳氏

  新型コロナウイルスの感染拡大でトヨタなど自動車各社が中国での操業を停止している問題について、白柳正義執行役員は「日本やそれ以外の地域でも中国からくる構成品や材料があることは確認できている」と述べ、在庫の確認や代替生産の必要性について精査をしていると述べた。

  白柳氏によると、「足元の稼働は継続できるという見通しが立ってる」ものの、今後どうなるかについては精査中という。同氏は、今回の決算にウイルス問題の影響は織り込んでいないと述べた。

(決算の詳細や外部コメントなどを追加し、全体の構成を変えて更新します)

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February 06, 2020 at 11:36AM
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