
経団連は今年の春闘の経営側の指針として、新卒一括採用や終身雇用、年功序列賃金に代表される日本型雇用慣行の見直しに言及した。
新卒一括採用、終身雇用、年功序列賃金に企業別労働組合を加えて日本型雇用といわれる。経営側にとって、若年労働者の一括採用は人手不足の高度成長期に労働者の確保を可能にしてきた。その上、終身雇用と年功序列賃金により会社への帰属意識や忠誠心が高い社員を長期的・計画的に育成し柔軟な異動・配置が可能になるとともに長期勤続・人材定着もできた。しかも、企業別労働組合により労働者は企業と運命共同体であると認識され、労使ともに節度のある行動をもたらした。
この日本型雇用は、労働者にとっても大きなメリットがあった。なにより長期の雇用保証とともに、基本的に能力ではなく年功序列の賃金は、多くの労働者にとっては魅力的だ。
ただ、日本型雇用は実のところ、戦後の高度成長期だけに見られた現象だ。戦前には存在しないので日本固有でもなく、戦後の一時期だけの例外とみるべきだ。しかも、高度成長の原因というより、高度成長の結果によりもたらされたものだ。
日本の今後の雇用形態の見通しとしては、世界でよくみられるような随時採用、有期雇用、能力賃金が基本になるだろう。
いずれにしても、日本で高度成長が終わり、企業収益は落ち込んだ。筆者は平成年代にマクロ経済政策を失敗したことで必要以上に成長できなかったと思っているが、期待成長率が大きく鈍化したのは事実だ。
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January 28, 2020 at 04:30AM
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【日本の解き方】経団連が「日本型雇用」見直しに言及 会社人間にとっては厳しいが…高齢者や女性にはチャンスに - ZAKZAK
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