刑事事件にならない「日産の私物化」
レバノンに逃亡した日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告は、本当に優れた経営者だったのか。その問いに答えるためには、ゴーン氏が経営者として君臨した1999年から2018年の間を、中期経営計画をベースに3つのフェーズに分けて緻密に見ていく必要があると筆者は考える。
前編「ゴーンが本当に凄かった時代…彼は日産も、私の記者人生も変えた」では、第一フェーズの中期経営計画「リバイバルプラン」(00~01年度)、同「日産180」(02~04年度)で、倒産寸前の経営危機から日産を救い、成長軌道に乗せ、利益などの数値目標をすべて達成した絶頂期のゴーン氏のことを紹介した。
ゴーン氏の経営者としてのピークは04年頃までだったと筆者は感じている。実際、ゴーン氏が君臨した19年間では、04年3月期決算の営業利益率11・1%が最高で、以後はそれほど優れた実績を出していたとは言えない。
もし、その頃にゴーン氏が日産社長を辞めて他社に移っていれば、戦後、民主主義を日本に導入したマッカーサー元帥のように、「再建請負人」としていつまでも語り継がれる「神話」的な存在になっていたかもしれない。
そして、本稿でいま一度強調したいことは、ゴーン氏の国外逃亡によって、「人質司法」と言われる日本の司法制度の是非に再び注目が集まっているが、「ゴーン事件」の本質は、決して司法制度の問題ではないということだ。
厚生労働省の官僚だった村木厚子氏に対する証拠捏造事件などの前例から見ても、日本の検察、特に特捜部の捜査手法に課題があることは否定しない。検察に一言文句のある人からすれば、ゴーン氏の事件は、検察批判の「格好のネタ」と言えるだろう。
しかし繰り返すが、日本の司法制度の課題を論じるだけでは、「ゴーン事件」の本質は見えない。こう考えればいいだろう。金融商品取引法違反(虚偽記載)や会社法違反(特別背任)の刑事事件は、不正の氷山の一角に過ぎないということだ。裁判という「厳格なゲーム」の中で、司法手続き上、証拠として認められそうなものがある案件だけ立件されたということだ。
内規に反し会社資金を流用しての数十億円にのぼる豪華邸宅の取得、豪華ヨットクラブへの入会、勤務実態のない親族への報酬の支払いといった「日産の私物化」については、刑事事件にはなっていない。これは日産という民間企業が、自らの判断で「不正」と断定したのである。
ゴーン氏は、自らの手によって北朝鮮のような独裁体制を作りイエスマンだらけの企業風土を構築した中で、強欲な私物化を行い、その一部が刑事事件化されたという構造になっている。それが、ゴーン氏が日産の経営トップとして行った「罪」の全貌だ。
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January 23, 2020 at 04:03AM
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ゴーン氏が裸の王様となり果て、日産を「植民地化」するまで - 現代ビジネス
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