ボーイングが開発中の大型機777Xが現地時間1月25日(日本時間26日)、初飛行に成功した。飛行時間は3時間51分だった。
初飛行したのは、777-9の飛行試験初号機(登録記号N779XW)。ボーイングのエバレット工場に隣接するシアトル近郊のペインフィールド空港を、現地時間25日午前10時9分(日本時間26日午前3時9分)に離陸。ワシントン州上空を3時間51分飛行し、ボーイング・フィールド(キング郡国際空港)へ着陸した。
当初は23日に初飛行する予定だったが、風速や風向きなど天候の影響で2度延期され、25日の実施となった。今後数カ月かけて試験を進めていく。
777Xは777の後継機で、メーカー標準座席数が2クラス384席の777-8と、426席の777-9の2機種で構成。航続距離は777-8が8730海里(1万6170キロ)、777-9は7285海里(1万3500キロ)を計画している。エンジンはGEアビエーション製の新型エンジン「GE9X」を採用した。
翼は炭素繊維複合材を用いて軽量化するとともに、777の主翼よりも長くなった。このため、翼端を折りたためる機構を取り入れ、777が現在乗り入れている空港に就航できるようにした。地上で64.8メートルの全幅は、翼端を展開すると71.8メートルに広がる。
777Xの胴体外径は777と同サイズになるものの、客室幅は構造変更により4インチ(10.16センチ)広くなる。飛行中の揺れを軽減する「スムーザー」を採用したり、機内の湿度を777よりも過ごしやすい値に改善する。
航空会社への最初の引き渡しは2021年を予定。確定発注と発注コミットメントを合わせると340機で、エミレーツ航空(UAE/EK)が126機で最多発注となる。全日本空輸(ANA/NH)やブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)、キャセイパシフィック航空(CPA/CX)、エティハド航空(ETD/EY)、ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)、カタール航空(QTR/QR)、シンガポール航空(SIA/SQ)が発注している。このうち、ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、777-9を長距離国際線に投入している777-300ERの後継機として20機を確定発注している。
Tadayuki YOSHIKAWA
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