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日銀、金融政策の現状維持決定-緩和と財政で内需増加基調へ - ブルームバーグ

日本銀行は19日の金融政策決定会合で、長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる現行の政策運営方針の維持を賛成多数で決めた。景気の先行きについて、金融緩和や積極的な政府支出を受け、内需は増加基調をたどるとの判断を示した。

  景気の総括判断は「基調としては緩やかに拡大している」に据え置いた。鉱工業生産については「自然災害などの影響もあって、足元では減少している」に下方修正した一方、公共投資は「緩やかに増加している」に上向き改定した。海外経済を巡るリスクについては、「引き続き大きいとみられ、わが国の企業や家計のマインドに与える影響も注視していく必要がある」とした。

  日本経済の先行きに関しては、「国内需要は消費税率引き上げなどの影響を受けつつも、極めて緩和的な金融環境や政府支出などを背景に、企業・家計の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続する下で、増加基調をたどる」との見方を示した。

ETF貸付制度導入

  日銀は今回会合で、4月に決定した方針に従い、指数連動型上場投資信託(ETF)貸付制度の導入を決めた。貸付期間は1年以内とし、貸し付けの対象先は日銀が選ぶ。日銀はまた、金融機関に対する貸出増加支援資金供給制度を見直し、一定の条件の下で借り換えを認めることを決定した。

Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda Attends Branch Managers Meeting

日銀本店

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  金融政策運営は、現行のマイナス0.1%の短期政策金利と「ゼロ%程度」の長期金利目標を維持するとともに、指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J-REIT)の買い入れ方針も据え置いた。前回10月の会合で修正した政策金利の フォワードガイダンス(指針)も維持し、引き続き緩和方向を意識した政策運営を行っていく姿勢を示した。

  ブルームバーグがエコノミスト45人を対象に行った調査では、全員が今回会合での金融政策の維持を見込んでいた。

長短金利操作(賛成7反対2)
  • 短期金利:日銀当座預金のうち政策金利残高にマイナス0.1%適用
  • 長期金利:10年物金利がゼロ%程度で推移するよう国債買い入れ。金利は経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動し得る。保有残高の増加額年間約80兆円をめどにしつつ、弾力的な買い入れ
  • 片岡剛士、原田泰両審議委員が反対
資産買い入れ方針(全員一致)
  • ETFとJ−REIT:保有残高がそれぞれ年間約6兆円、約900億円相当で増加するよう購入。市場の状況に応じて上下に変動し得る
政策金利のフォワードガイダンス
  • 物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れに注意が必要な間、現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している

  午後3時半に黒田東彦総裁が定例記者会見を行う。決定会合の「主な意見」は12月27日、「議事要旨」は2020年1月24日にそれぞれ公表される。

(金融決定会合の詳細を追加して更新しました)

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