米中貿易交渉の中国側責任者である劉鶴副首相は20日夜、第1段階の合意に達することに「慎重ながらも楽観的」だと述べた。交渉が長引き、香港などを巡る緊張が高まっている中での発言。
劉副首相は北京でのスピーチでコメントしたと、同日の夕食会に出席した関係者が匿名を条件に述べた。国有企業の改革や金融セクターの開放、知的財産権保護の強化についての中国の計画についても説明したという。
スピーチとは別に、劉副首相は出席者の1人に対し、米国側の要求に「戸惑っている」ものの、合意の第1段階に達することに自信を持っているとも述べたと関係者は明かした。
トランプ米大統領が1カ月前に、米中が部分的合意に至ったと発言して以来、市場は楽観と悲観とを行き来している。トランプ大統領は20日に、中国が「私の望む水準に向かって歩み寄ってこない」と述べた。
21日のMSCIアジア太平洋指数とS&P500種株価指数先物は下落していたが、劉副首相の発言が報じられると下げを縮めた。
12月15日までに第1段階の合意に至らない場合、1600億ドル(約17兆3600億円)相当の中国製品への上乗せ関税が発動されかねない。
同副首相はニューエコノミー・フォーラム開始前の夕食会でスピーチした。同フォーラムは、ブルームバーグ・ニュースの親会社であるブルームバーグ・エル・ピーの1部門であるブルームバーグ・メディア・グループが開催している。
中国の王岐山国家副主席は同フォーラムで21日、同国は国内外で深刻な課題に直面しているが、政策変更を断行すると表明。リソースの配分で引き続き市場に「決定的な役割」を果たさせるとともに、平和的な発展の道を選択し続けると語った。
「戦争と平和の間では、中国国民は断固として平和を選ぶ」とし、「ゼロサム思考と冷戦思考を捨てるべきだ」と述べた。
原題:
China’s Liu ‘Cautiously Optimistic’ About Reaching Phase 1 Deal、
China’s Top Trade Negotiator ‘Cautiously Optimistic’ on Deal (1)(抜粋)
(第4段落以降に王岐山国家副主席の発言などを追加し更新します)
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November 21, 2019 at 09:51AM
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