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楽天対抗も意識か? 「Amazonプライム1年無料」に見るドコモの狙い(石野純也) - Engadget 日本版


ドコモは11月26日、年間4900円の「Amazonプライム」を1年間無料で利用できるようにするキャンペーンを発表しました。対象になるのは、新料金プランの「ギガホ」を契約しているユーザー。キャンペーンにキャンペーンを重ねる形になってしまい、少々複雑ですが、「スタートアップキャンペーン」として、より安価な段階制の料金プランである「ギガライト」も対象になります。

(見出し画像)吉澤社長(左)と、アマゾンジャパンのジャスパー・チェン社長(右)

キャンペーンと称しながらも、終了期間は未定。元々新料金プランを契約していたユーザーや、Amazonプライムの会員になっていたユーザーもすべて対象になる、お得なキャンペーンと言えます。Amazonプライムの会員は年間で4900円の割引になる格好。非会員で新料金プランを契約している場合は、1年間、Amazonプライムを無料で体験できると捉えることもできます。

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▲新料金プランを契約しているユーザーは、Amazonプライムの料金が、1年間無料になる

さらに、3月31日までの期間限定ですが、上記キャンペーンの対象者がAmazonでd払いを利用した場合、dポイントの付与率が5倍になるキャンペーンも実施されます。通常時は100円で1ポイントと実質1%還元でしたが、キャンペーン期間中は100円で5ポイントの5%還元に還元率がアップします。キャンペーン分は月3000ポイントまでという上限はありますが、こちらもお得感の高い施策です。

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▲Amazonでd払いを使うと、ポイントが5倍になるキャンペーンも実施

ドコモがAmazonとの大型キャンペーンを実施した思惑は、新料金プランの普及促進にあります。ドコモの吉澤和弘社長は、「新料金のプランの魅力をもっと上げ、d払いやdポイントを絡めながら、Amazonプライムをもっと積極的に使っていただければ、お互い(ドコモとAmazon)にメリットが出る」と語りました。

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▲Amazonとの連携を発表したドコモの吉澤社長

吉澤氏が「端末値引きという競争ではなく、魅力的なサービスを付加して料金プランを磨き上げていく必要がある」とコメントしたとおり、改正・電気通信事業法に対応して競争軸を変えたという意味合いもありそうです。

ご存知のとおり、10月1日以降は省令で、端末割引の上限が2万円に規制されてしまいました。そのぶんをサービスの値引きに回すことで、料金プランにお得感を出していくのが、今回のキャンペーンの狙いと言えるでしょう。

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▲料金プランの魅力を高めるのが、キャンペーンの狙い

ドコモには、Eコマースサービスのdショッピングなどがありますが、規模感はAmazonに遠く及びません。その意味では、競合関係を強く意識する必要はなかったのかもしれません。2月に行った筆者のインタビューにこたえる形で、吉澤氏もそれを認めていました。インタビューでは「Amazonさんもいますから」と、事実上、Amazonとは住み分けをしていく方針も語られています。

コメントは、ドコモと逆の攻め手で通信事業に参入した楽天について聞いたときのものですが、もしかすると、この段階でAmazonと密接に連携していく構想があったのかもしれません。Amazonとのキャンペーンは、楽天の本格参入に向け、体制を強化したという意味合いもありそうです。

大々的に発表されたAmazonプライムの1年間無料キャンペーンですが、実は1日前の11月25日にも、近い枠組みのキャンペーンが発表されていました。ドコモとディズニーが共同で提供する「Disney DELUXE」の割引キャンペーンがそれです。

こちらも、開始はAmazonプライムのキャンペーンと同じ12月1日。1年間、Disney DELUXEの料金と同額の700円が割り引かれるというのがその中身で、年額に直すと8400円と、Amazonプライムよりも割引額は大きくなります。対象となるのはやはり新料金プランのギガホとギガライトです。

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▲11月25日には、Disney DELUXEが1年無料になるキャンペーンも発表された

吉澤氏によると、このキャンペーンも「考え方は一緒」で、料金プランの魅力を高めるために実施しているといいます。両方とも、現時点ではあくまでキャンペーンという形ですが、正式な料金プランに"昇格"する可能性も高そうです。

吉澤氏は、「サービスと料金を融合した形でのプランや取り組みは、5Gにつながっていくのかなと思っている」と語っています。このコメントを額面通り捉えるならば、5Gのローンチに合わせ、Disney DELUXEやAmazonプライムをバンドルしたプランが登場するかもしれません。

大容量で高速という5Gの特徴を生かすと、料金プランは自ずと「容量無制限」が主流になるはずです。すでにauが5Gの先駆けとして「auデータMAXプラン」を投入しているのは、その証拠です。一方で、すべてのプランが無制限になってしまうと、4Gのときのように、容量による差別化が難しくなります。どの会社も無制限になってしまえば、ますます差がなくなるのは、容易に想像がつくでしょう。

こうした状況では、バンドルプランが増えていくことが予想されます。すべて無制限にしつつ、AmazonプライムなりDisney DELUXEなりのバンドルされたコンテンツで料金を選ぶようになるというわけです。先に挙げたKDDIも、auデータMAXプランなどでNetflixをバンドルしていますが、ドコモのキャンペーンも、その延長線上にあるものと見てよさそうです。5Gの料金プランを設計するため、まずはキャンペーンとして投入し、ユーザーの動向を調査している可能性もあります。

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▲auは、5G時代を先取りしたプランとして、Netflixをパックにした「auデータMAXプラン Netflixパック」を導入済み。今後はバンドルプランが競争軸の1つになりそうだ

いずれにせよ、一連のキャンペーンには、目先のユーザー獲得以上の深い意味があります。キャンペーン対象でお得になるユーザーはもちろんのこと、そうでないユーザーも、今後の業界動向を読み解くうえで、注目しておいた方がよさそうです。

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November 27, 2019 at 10:00AM
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