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先行するも状況一変 アプリは幻に 覚悟したチーム消滅 - 朝日新聞デジタル

シビックテック コロナに挑んだ3カ月⑨

 4月下旬。日本は、緊急事態宣言を受けて行楽地も新幹線もガラガラという、異様なゴールデンウィークを迎えた。

 新型コロナウイルスの接触確認アプリの開発で「コード・フォー・ジャパン(CfJ)」の元に集まったチームは、ほぼ開発を終え、専門家へのヒアリングや関係者への説明を続けていた。

 その少し前の4月10日、米アップルとグーグルの2社が接触確認アプリのための共通規格を共同で開発すると発表。約3週間後には「規格の利用は1国1アプリのみ」「公衆衛生当局が作製または利用するものに限る」との条件が明らかになった。これを機に、日本政府が提供する接触確認アプリ開発は、経済産業省の主導から厚生労働省に移ることになった。

拡大する写真・図版シビックテック コロナに挑んだ3カ月

 アプリの開発では当時、CfJだけでなく、日本マイクロソフト(MS)のエンジニアを中心にしたグループや、楽天も取り組んでいた。

 ただ、その中でCfJは進みが早く、CfJのアプリが政府の公式アプリとして採用される可能性が高いと思われていた。こうした動きを踏まえ、菅義偉官房長官は4月13日の会見で、アプリの実証実験を行う方針も公表していた。

 しかし、主導する省庁が厚労省に移り、ひとつのアプリしか採用されないと決まると、状況は急転した。

 GWのただ中で、CfJのチームには重苦しい空気が流れ始めた。

 新型コロナウイルスの感染拡大で根底から生活が変わるなか、互いに知らず、年齢も職業も住む場所も違う人たちがネット上で協力し、自らの技術をコロナ対策に役立てようとする活動が広がった。ITを使い、社会課題を自ら解決していく活動「シビックテック」だ。共に取り組んだのは東京都と国レベルのプロジェクト。走り続けた彼らの3カ月を全10回で報告する。

 最終的に受注したのはCfJで…

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