円高進行、一時4カ月半ぶり104円台 - 日本経済新聞

29日の東京外国為替市場で対ドルの円相場は一時、1ドル=104円96銭まで上昇し、前日の東京市場終値から60銭ほどの円高・ドル安水準になった。28日のニューヨーク市場に続き、4カ月半ぶりとなる104円台を付けた。米中対立の再燃や米景気の回復の遅れを意識した投資家のドル売り・円買いが広がっている。

円相場は先週半ばまで1ドル=107円程度で安定的に推移していた。その後、米中両国がお互いの総領事館を閉鎖するなど緊張関係が高まり、投資家の不安心理が台頭。米景気の先行き懸念も強まり、ドル売りが進んだ。28日のニューヨーク市場では一時、1ドル=104円96銭と3月13日以来の104円台を付けた。

新型コロナウイルスの感染拡大で金融市場が混乱に陥った3月には世界の金融機関によるドルの調達不安が高まり、リスク回避のドル買いが進む場面もあった。現在は米連邦準備理事会（FRB）が積極的な金融緩和でドル資金を大量に供給し、市場では「ドル余り」も意識されている。三菱UFJ銀行の内田稔氏は「米金利の低位安定に伴うドル安圧力は当面続く」とみる。

6月の日銀全国企業短期経済観測調査（短観）によると、企業の2020年度の想定為替レートは1ドル=107円87銭だ。想定より円高水準での推移が続けば輸出企業の採算が悪化し、設備投資などの事業計画を修正する可能性も出てくる。

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July 29, 2020 at 08:22AM
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