2日の東京株式市場で日経平均株価は続伸か。景気底入れへの期待から前日の米株式相場が上昇したことが支えとなる。株価指数先物を売り持ちする海外投資家の買い戻しが継続するとみられる一方、過熱感に対する警戒が上値を抑えそうだ。米中対立の先鋭化懸念も引き続き相場の重荷となるだろう。市場では前日比で250円程度高い2万2300円近辺が上値のめどになるとの見方が多い。
1日の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は前週末比91ドル(0.4%)高の2万5475ドルで取引を終えた。米サプライマネジメント協会(ISM)が1日発表した5月の製造業景況感指数は43.1と、前月から1.6ポイント上昇した。製造業景気の拡大・縮小の境目である50を3カ月連続で割り込み、ダウ・ジョーンズがまとめた市場予測(44.0程度)も下回った。
ただ、市場では新型コロナウイルスの感染拡大で停滞を余儀なくされた経済活動が正常化に向かい米景気が回復するとの期待が強く、金融株や景気敏感株に買いが集まった。大阪取引所の夜間取引で、日経平均先物6月物は前日の清算値を90円上回る2万2210円で終えた。
日経平均株価は2万2000円台を回復した前日までの6営業日で1700円近く上昇した。短期間での急ピッチな株高で、東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は136.89%と2019年11月以来の高水準を付けるなど、過熱感を示唆するテクニカル指標が相次いでいる。米株高の流れを引き継ぐ形での上昇が一服した後は、戻り売りで伸び悩む可能性が高い。
米中関係を巡るヘッドライン(ニュースの見出し)に反応した売買で、相場が上下に振れる余地も残されている。日本時間1日夕のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)では「中国政府が国営企業に対し、大豆や豚肉など米国産農産品の輸入を一時停止するように命じた」と一部で報じられ、米株価指数先物が下落する場面があった。
市場では「米政権が中国に対し新たな対抗措置を講じれば、投資家心理にはマイナス」(国内証券の投資情報担当者)との声が聞かれる。白人警官による黒人暴行死への抗議デモが長期化し、米景気回復が遅れるとの懸念も根強い。
米製薬大手ギリアド・サイエンシズは1日、新型コロナの治療薬候補「レムデシビル」について実施した第3段階の臨床試験(治験)の結果を発表した。10日間投与した患者と、同薬を使わない一般的な治療の患者を比較したところ「統計的に大きな差はなかった」との内容で、同社株には失望売りが出た。
この結果を受け、同治療薬候補の「アビガン」を子会社で手掛ける富士フイルムホールディングス(4901)株の反応が注目される。2日の取引終了後には、ファーストリテイリング(9983)が5月の国内ユニクロ売上高を発表する予定だ。
〔日経QUICKニュース(NQN) 長田善行〕
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June 02, 2020 at 05:01AM
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