世界最大の産油国サウジアラビアが増産に転じたことを機に原油価格が急落し、採算が悪化していた米国のシェールオイル各社が窮地に立たされる見通しになった。サウジに対抗し、ロシアも4月に増産に踏み切る計画で、原油価格の下押し圧力が強まるのは避けられない。米政権はロシアに対し原油市場が不安定化する行動を自粛するよう要請した。
露が増産にかじ
石油輸出国機構(OPEC)加盟国とそれ以外の主要産油国で構成するOPECプラスが追加減産で合意に至らなかったことを受け9日の原油価格は30%を超える大幅安を演じた。
関係者によると、ロシアの国営石油大手ロスネフチは4月1日から石油の増産にかじを切る計画だ。ロスネフチの計画は、サウジの動きに対するロシア勢として最初の反応となる。
これに対抗しサウジの国営石油サウジアラムコは10日、4月に生産を大幅に引き上げ、過去最大となる日量1230万バレルを供給すると発表した。
米財務省は9日の声明で、ムニューシン米財務長官が同日、アントノフ駐米ロシア大使と会談し、「秩序あるエネルギー市場の重要性を強調した」ことを明らかにした。
米シェール各社の収益はこれまでも悪化の一途をたどってきたが、原油価格の急落は致命的な打撃になりかねない。事業再編や不良債権の支援サービスを行うSOLICキャピタルのマネジングディレクター、ラウル・ノウィッツ氏は「昨年は50社が経営破綻しており、今年の倒産は55~60社に上っても驚かない」と話す。原油価格低迷が長引けば破綻企業数はさらに増えるとみている。
9日のニューヨーク市場で指標の米国産標準油種(WTI)の4月渡しは前週末比25%安の1バレル=31.13ドルで終了した。コンサルティング会社ライスタッド・エナジー(オスロ)のまとめによれば、米国内2カ所のシェール採掘地で、1バレル=31ドルで利益を出せるのはメジャー(国際石油資本)のエクソンモービルやシェブロンなど5社しかない。
ただ、シェール関連のデータ会社フリーゾ・ラフレイ・オイル・ウエル・パートナーズのトム・ラフレイ氏は「現時点では企業は持続不可能な水準の生産基盤を維持するために、資本が焦げ付かないようにすべきだ。これは生産調整にあたる。つまり、減産の必要があるということだ」と強調する。
各社活動抑制の必要
ダイアモンドバック・エナジーやパースリー・エナジーなどは既に採掘予算を削減し、掘削リグの稼働数を削減。アパッチ・コーポレーションやオキシデンタルなどは事業抑制方針を打ち出している。
ライスタッドでシェール関連調査部門を率いるアルテム・アブラモフ氏は「最も好調なシェール企業でも、活動を抑制する必要がある。油井の営利性のみならず、企業の現金収支によるところが大きい。このように原油価格が下落する中で年内に現金収支を完全に合わせるのはほぼ不可能だ」と強調した。
OPECなどへの助言を行っている米外交問題評議会の上級研究員エイミー・マイヤーズ・ジャッフェ氏は「(シェール各社の頭上には)ハゲタカが既に旋回している」と話した。(ブルームバーグ Rachel Adams-Heard)
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March 12, 2020 at 07:00AM
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