パウエルＦＲＢ議長、次の不況では政策手段を「積極」活用する用意 - ブルームバーグ

パウエル米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）議長は12日、上院銀行委員会の公聴会での証言で、長引く低金利のジレンマに直面する当局は景気悪化時には「積極的に」大規模な資産購入手段の利用を余儀なくされるとの認識を示した。

　　パウエル議長は「引き下げの余地は少なくなる。低金利はもはや選択肢というわけではなく、現実だ」と指摘。次のリセッション（景気後退）では金利をゼロに引き下げ、危機時の政策手段を講じる用意があることをにじませた。

　　米政策金利であるフェデラルファンド（ＦＦ）金利誘導目標は過去最長の米景気拡大にもかかわらず、2019年の３回の引き下げを経て1.5ー1.75％のレンジにある。しかし、こうした金融緩和に伴い長期金利が急低下し、米10年国債利回りは1.62％に下がっており、資産購入で長期国債利回りもゼロに押し下げられるのかという疑問が浮上している。

　　半年に一度の議会証言の２日目に臨んだパウエル議長は、この低金利環境で当局が最善の形で政策手段を確実に活用していく考えを示した。

　　議長は、一定期間ないし一定の経済状況が実現するまで金利据え置きを約束するフォワードガイダンスと危機時に活用した大規模資産購入の再開について言及。景気悪化時には「これらの手段を使用する。積極的に活用する考えだ」と述べた。その上で 財政政策も不況下で経済を支える立場にあることが重要だと付け加えた。

原題： Powell Sees Low Rates, Crisis-Era Tools as Facts of Life for Fed（抜粋）

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