ラフォーレ原宿が『グランバザール』に合わせてキングジム『テプラ』をイメージした広告を展開。建物にも大きく掲示されて人目を惹く存在で、Twitter上でも話題になっていた。このプロダクトを担当したWieden+Kennedy Tokyoは、ナイキの広告などを企画しており、スタイリッシュなディレクションで知られる。今回のラフォーレのCMでは、『テプラ』本体からシールを印刷するシーンと、ポップなカラーが『グランバザール』を彩っていて印象的だ。
ところが、モデル・アーティストとして活躍している酒井いぶきさんの作風と酷似しているのではないかという声が上がり、本人からも事前の話し合いがあり、不調だったことを示唆するツイートが投稿されている。
酒井さんの『Instagram』は22万人以上のフォロワーがおり、若年層へのインフルエンサーとしてはかなりの影響力を持っている。また、原宿・渋谷周辺のショップで展示やワークショップ、ポップアップショップなどを開催しており、テブラや証明写真、シールを利用したアートワークは多くのファンの共感を集めている。彼女の『テプラ』への思い入れは、カルチャーサイト『EYESCREAM』のインタビューが詳しい。
さて、彼女がここまで憤りを表明したのは、W+K社側が自身の活動を知りつつプロダクトに関われなかったということに起因しているので、「パクリ」「盗用」問題とは毛色が若干異なるように感じる。近しいところだと、大正製薬の『RAIZIN』PRイベントでモデル・銭湯画家の勝海麻衣さんのライブペインティングが「パクリ」だとTwitterで指摘され、所属事務所などが謝罪に追い込まれた騒動が想起されるが、今回は「アイディア」の剽窃と捉えるべきで、著作権うんぬんというよりもW+K社とラフォーレ側の筋の通し方が甘かったことが原因に思われる。
SNSの普及でアーティストが直接発信することができるだけでなく、印刷技術の進歩により、とりわけ服飾の世界では「パクリ」が横行している。例えばサブカル女子に熱烈な支持者がいる上野航さんの『球体関節ストッキング』は、自身が一足一足エアブラシで塗装するという手間のかかったアイテムだが、2014年にデザインだけを模倣して販売する業者が現れ、そちらがニュースサイト『ねとらぼ』で紹介され、上野さん本人のツイートにより記事が差し替えられるということがあった(参照)。彼は「パクリ」に怒ったというよりも、クオリティの低い「商品」と自身の「作品」を混同されたくないという思いが強かったように感じられる。そういった意味では、酒井さんの「中途半端に物作るな」というツイートと相通じるところがあるように、個人的には思える。
実際、酒井さんのファンならば彼女が「ついにラフォーレをジャックした!?」と誤解した人もいただろう。J-CASTニュースによると、ラフォーレの広報担当はW+K社と酒井さんの間にトラブルがあったことを認め、「W+K社から今回の広告の制作意図等の説明を発信していただくべく、準備をしている最中。そちらが整い次第、発表させていただく」「W+K社の結果を見て、ホームページ等で対応していく」(参照)とのことだが、対応を誤るとさらにネット上での批判が一時的に高まるだろう。
とはいえ、東京五輪のエンブレム騒動(参照)の際もせいぜい二ヶ月ほどでほとぼりが冷めたことを考えれば、「元ネタ」側が涙をのむことになる可能性が大きい(実際、『球体関節ストッキング』の劣化コピーは『Amazon』で複数の業者が発売している)。いずれにしても、アーティストへの敬意の払い方というものを、再度考える機会にしなければならないのではないだろうか。
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January 25, 2020 at 10:02AM
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