富士ゼロックスは1月6日、米Xeroxとの提携を3月31日付で終了すると発表した。4月1日以降は社名を「富士フイルム ビジネスイノベーション」に変更し、自社ブランドで事業拡大を図る。
開発した技術の相互利用や販売地域の区分けなどを定める「技術契約」を終了する。1960年から続いた提携の解消について、富士ゼロックスは「販売地域の制限がなくなることで、グローバル展開がしやすくなる」としている。技術や商品の開発スピード、品質が向上し、自社の独自技術を使った商品の提供が富士ゼロックス単体でできるようになったことも契約終了の決め手の一つだという。
今後は富士フイルムブランドで欧米を含む国内外に事務機器の事業を展開する他、グループ内の連携を強化し、クラウドやAI、IoTなどの技術を活用した製品やサービスを積極的に展開していくとしている。これまで「ゼロックス」ブランドの使用料として支払っていた年間100億円のコストは、新規ブランドの立ち上げや海外展開に向けた投資に充てる。
ただし、Xeroxとの商品供給契約は存続し、商品供給パートナーとしての関係は引き続き継続する。
富士ゼロックスは富士フイルムホールディングス(HD)が75%、Xeroxが25%を出資する企業だったが、19年11月に富士フイルムHDが全株を取得し、現在は同社の完全子会社となっている。
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