経団連、目標は「働きがい向上」 春闘方針、処遇の改善も重視（SankeiBiz） - Yahoo!ニュース

　経団連の経労委報告のキーワードは、イノベーションや付加価値サービスを生み出すためのエンゲージメントの向上で、この議論に多くの時間が割かれた。社員の意識改革実現には「成果や職務に応じた賃金配分と総合的な処遇改善が両輪」との認識を共有した。

　具体的な処遇改善では、自ら成長を目指す能力開発の充実などが挙げられ、デジタル技術や経営を学び直すための大学や外部講座を受講する経済的支援や休暇制度導入も盛り込まれた。若い人が挑戦できる企業内起業家を育成する制度などさまざまな工夫が議論される方向だ。

　日本総合研究所の山田久副理事長は「デジタル変革や業態変化に対応した社員教育は企業だけでは限界。大学や政府も巻き込んだ議論が必要だ」と話す。

　イノベーションや付加価値の高いサービスを生み出すには社員の意識改革が欠かせない。ところが、日本は労働生産性の低さに加え、米大手調査のギャラップ社調査でも、働きがいを感じる社員割合が世界順位で１３２位というお寒い実態で、終身雇用の利点は薄れている。

　経団連の中でも日本型雇用制度の早急な見直しには異論もある。「新卒一括採用は熟練工育成には機能している」との声もあり、グローバル化やデジタル化度合いで温度差もある。

　ただ、経団連の大橋徹二副会長・経営労働政策特別委員長は、日本型雇用の見直しやジョブ型雇用は既に企業で導入されている実態に触れ、流れは止められないとの見方も示した。（上原すみ子）

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