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総務省事務次官が「事実上クビ」のワケ…日本郵政への情報漏洩の深層(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

霞が関を揺るがす一大事

 年末の役所は来年度予算の仕上げで忙しい。そこへ、とんでもないニュースが入ってきた。

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 高市早苗総務相は20日、総務省の鈴木茂樹事務次官を停職3カ月の懲戒処分にし、同次官は辞職したと発表した。更迭されたのだ。

 その理由であるが、鈴木前次官は日本郵政の鈴木康夫取締役上級副社長に、情報を漏洩していたというのである。

 高市総務相は、記者会見で詳細を明らかにした。12月13日以降、鈴木前次官は、大臣室の会議の情報を日本郵政の鈴木副社長に電話等で漏洩していたという。これは行政の公平性を根幹から揺るがす一大事である。

 霞が関では、このところ文科省がトラブル続きだった。前川喜平元事務次官らにより「組織的な天下りの斡旋(あっせん)」が行われ、さらには局長級幹部が逮捕される「汚職事件」も発生、不祥事が絶えなかった。ここに来て、総務省まで大問題を起こすとは驚きだ。

 日本郵政の鈴木副社長は、元総務省事務次官だ。総務省の鈴木前次官とは同じ郵政キャリアで先輩後輩の関係である。役所組織での先輩後輩の関係は、一般企業よりかなり強固だ。

 そのようなしがらみから抜け出た「脱藩官僚」の筆者から見ると、まるっきり「体育会系」だ。役所においては、入省年次が絶対的であり、つまり先輩後輩関係も絶対的だ。その上、役所での最終役職も重要視される。入省年次と最終役職の2つの基準で、自ずと役人OBは序列が付けられる。両鈴木氏のように、役所の最終役職が事務次官同士ならば、先輩後輩の関係だけがものを言う。

 もしこの秩序を乱すと、退職後の天下り序列に支障が出てくるのである。天下りシステムを維持するために、先輩後輩関係はとても重要な意味をもっている。

総務省の信頼が地に落ちる

 漏洩した大臣室の会議内容とは、かんぽ生命保険の不適切販売問題を起こした、日本郵政グループに対する行政処分案の検討状況だ。

 これについて金融庁は、年内にもかんぽ生命に対して保険の新規販売を3ヵ月停止する行政処分を行うことを検討中である。また、かんぽ生命の親会社である日本郵政に対しても、ガバナンスの問題があるとして業務改善命令を検討している。

 総務省は、日本郵政について監督権限があるので、金融庁の業務改善命令とは別に、何らかの行政処分をする立場である。総務省の大臣室で会議が行われていたのはそのためであり、それを現職の次官が行政処分の相手方に情報漏洩していたのでは、総務省の信頼はまったくなくなることになる。

 高市総務相が、前次官の情報漏洩が公務員の信用失墜行為に当たるとして、停職3ヵ月の懲戒処分にしたのは当然であろう。

 もっとも、この事案であれば免職でも不思議ではなかった。日本郵政の鈴木副社長については、NHKがかんぽ生命保険の不適切な営業実態を取り上げたとき、NHKに対し、元次官の威圧を笠に着て圧力をかけたといわれている人物だ。

 その際にも鈴木前次官は、日本郵政の鈴木副社長と連絡を取り合っていたという報道があった。郵政キャリアの先輩後輩の関係は部外者が思う以上に緊密であり、これが行政の公正性をかなり損なっているともいえる。

 今回は、とりあえず前次官に対して懲戒処分が出されたが、今後も不適切な事例が出てくるとなると、これだけではすまない可能性もある。辞職した前次官の退職金がどうなるかなど、今後も注目されるところだ。

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December 23, 2019 at 04:01AM
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