北海道寿都町の「活アワビ・活ホタテセット(1万円)」
好きな自治体に寄付をすれば、2000円を除いた金額が、翌年の住民税から控除(減額)される「ふるさと納税」。さらに自治体から、さまざまなお礼の品がもらえるのは、ご存じのとおりだ。
本誌の編集部員でも、ふるさと納税をしているのは、まだ少数派。だが、していない人も大半が、「じつは気になっている」。そこで、初心者にもわかりやすく紹介しよう。
北海道寿都町に1万円をふるさと納税をし、「活アワビ・活ホタテセット」をもらった若手部員が熱弁を振るう。
「2018年の12月11日に、駆け込みで申し込んだんですが、1週間くらいで発送の連絡がありました。正月の食事が、一気に豪華になりましたよ!」
ホタテはバター焼きに、アワビは刺身と肝ソースのステーキにしたと聞き、酒好きのおじさん部員が食いついた。上司と部下の立場は逆転。
若手部員に申し込み方法を教わった、おじさん部員。返礼品は、“ふるさと納税の賢人” こと、金森重樹氏が推薦する、佐賀県嬉野市の「佐賀和牛」を選択した。会員登録から申し込みが完了するまで、わずか10分ほどだった。
「このあと、返礼品と『ワンストップ特例制度申請書』が届きます。申請書を返送すれば、会社員は5つの自治体までなら、確定申告が不要になりますよ」(若手部員)
今回利用したサイトは、「ふるさとチョイス」。運営するトラストバンクの田中絵里香氏は、「一度ふるさと納税をした方で、次の年にやめる方は少ないと思います」と言う。
「1回やってみると簡単ですし、お礼の品を通じて自治体の魅力を知り、ファンになる方が多いからだと思います。2015年に『ワンストップ特例制度』が始まって以来、ふるさと納税の利用者は急増し、2018年の利用者は330万人にのぼります」(田中氏)
2018年は171件・3000万円超を寄附した、金森氏が指南する。
「締切りだからと申し込みを諦めず、未経験の方もふるさと納税にふれてみてはいかがでしょうか。ポイント制を採用している自治体に寄附するのもおすすめ。いったんポイントに換えておき、年明けに返礼品をゆっくり選べますよ」
寄附金を控除できる上限額は、年収や家族構成などによって異なるが、どのサイトでも簡単に試算できる。次のページでは、申し込み手順のおさらいと、上述の金森氏がおすすめする「まだ間に合う返礼品ベスト3」をご紹介する。
12月で、2019年のふるさと納税は締め切られ、1月から寄附額はリセットされる。上限額まで寄附していないなら、駆け込み寄附がぜったいにおすすめだ。
鳥取県境港市「茹で紅ずわいがに肩足(1万円)」
【いまさら聞けない「ふるさと納税の手順」をおさらい】
(1)ふるさと納税サイトにアクセス
「ふるなび」や「さとふる」、「楽天ふるさと納税」などがある。今回は、掲載自治体数が最多の「ふるさとチョイス」にした。
(2)寄附したい自治体、欲しい返礼品を探す
気になる返礼品名や自治体名を検索。人気ランキングや特集(同サイトでは、おせちやカニ特集など)も参考になる。
(3)寄附する自治体を決定
人気の品は在庫切れになっていることも。補充されることも多いので、こまめにチェックしよう。
(4)寄附金の使い道を選択
「自然環境の保全」や「子育て支援」など、寄附金の使い道を選べる。特に希望がなければ、「市長におまかせ」にしよう。
(5)名前や連絡先を入力
住所や連絡先を記入するのは通販サイトと同じ。「お届け先」は自宅以外も選ぶことができ、お歳暮にすることも。
(6)支払い方法の選択
クレジットカード決済ができる自治体が大半。ほかにPayPalなどの支払いサービスや、コンビニ払いも利用できる。
(7)ワンストップ特例制度申請書の希望
確定申告をしない場合は、「希望する」を選択。自治体により、申請書が送られてきたり、自分で申請書をダウンロードする。会社員は必ずチェック!
(8)申し込み完了
「ふるさとチョイス」には、申込者情報、送り先などを登録しておくことで、手続きがさらに少なくなる「ファスト寄附」機能もある。
(9)ワンストップ特例制度申請書が到着
返礼品と前後して、ワンストップ特例制度申請書が送られてくる。名前やマイナンバーを記入し、捺印。上の画像で示した2カ所にチェックして、自治体に返送する。後日、自治体から、「申請書受付書」が返送される。
(10)翌年6月、税金が控除される
6月の給与明細に同封される「住民税額の決定通知書」。都道府県民税と市区町村税から、それぞれ控除される。ご参考までに、昨年6万8000円を寄付した “ふるさと納税マニア” の編集部員は、6万6000円ほど控除された。
【 “日本一のふるさと納税男” 金森重樹氏が選ぶ「駆け込みベスト3」】
●1位:佐賀県嬉野市「佐賀和牛 サラサラ小間切れ(切落し)350g×2」/1万円
佐賀牛は人気のブランド牛。700グラムで1万円は掘出しもの。モモ、ウデ、バラの切落としを冷凍。使いたい分だけ解凍できるので、便利だ。
●2位:大分県国東市「粗挽き&チーズ入り! 極太フランクフルトソーセージ1.8kg」/1万円
年末の宴会やパーティに活躍しそうな粗挽きと、細挽きのチーズ入り各15本のセット。大分県産豚肉が原料だ。
●3位:大分県国東市「海産屋の『金目鯛ファミリーセット』」/1万円
地元の人気店の「金目鯛の煮付け定食」で使われているトロ金目。1尾250グラム以上で4尾入り。正月にうってつけだ。
(週刊FLASH 2019年12月24日号)
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