企業がため込んだ資金を投資に導き、経済を活性化させる。与党がまとめた2020年度税制改正大綱の狙いは、この点に尽きる。
手厚い優遇措置を設けて企業に前向きな投資を促すのはいいとして、こうした「アメ」で思惑通りに企業が動き、経済成長に結び付けられるだろうか。その恩恵が広く国民全体に行き渡らなければ、単なる大企業優遇との批判は免れない。
今回の目玉の一つは、条件を満たすベンチャー企業に出資した場合、その25%を課税所得から差し引く制度の創設だ。さらに、米国や中国などに比べ出遅れた第5世代(5G)移動通信システムの整備を加速させようと、全国に5G基地局を前倒しで整備する企業などには15%の税額控除も認める。
いずれも2年間に限った措置で、中小企業なども利用できる仕組みだ。実際は、手元資金に余裕がある大企業や大手携帯電話会社に限られるとみられる。
「経済再生なくして財政健全化なし」を掲げる安倍政権の経済政策は、企業活動重視で一貫している。過去の税制改正でも、法人税の実効税率の大幅引き下げなどを重ねてきた。
結果として、多くの企業が潤ったのは確かだ。企業業績は好調で、18年度の国の税収はバブル期を上回り過去最高を更新した。問題は、企業がもうけを賃上げなどには回さず、内部にため込んでいることだ。
この「内部留保」に当たる利益剰余金は7年連続で過去最大を更新し、18年度末で463兆円に膨らんだ。企業が手元に持つ現預金は240兆円にも達する。これを有効活用できなければ、日本経済が低成長から脱することは難しい。
政府はこれまでも内部留保が投資に向かうよう、税制を含めた対策を講じてきたが、設備投資の伸びは鈍い。米中貿易戦争などで世界経済の先行きが不透明なことも影響している。従来の延長線上にある限り、今回の税制改正の効果も限定的と言わざるを得ない。
一方で国民の税負担は増している。消費税率が上がり、来年は所得税の控除見直しで増税になる人もいる。にもかかわらず金持ち優遇との批判がある金融所得課税の強化などの課題は先送りされた。
求められるのは、国民の暮らしをもっと温める税制改正ではないか。今回、未婚のひとり親への支援がようやく盛り込まれたが、少子高齢化で変わっていく社会の姿に対応した長期的な税制の検討は見送られた。国民の将来不安を緩和する税制が実現すれば、低迷する個人消費にもよい影響があるはずだ。
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December 15, 2019 at 11:09AM
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