情報流出について説明する神奈川県の情報システム課の担当者（横浜市の神奈川県庁）
個人情報を含む神奈川県の大量の行政データが転売によって外部に流出する恐れのあることが6日分かった。県のサーバーを更新した際、取り外されたハードディスク（HD）の廃棄を委託された事業者の社員がデータ消去の不十分な状態で一部を持ち出し、ネットオークションで販売した。データ量は最大27テラバイトに上る可能性があるという。
流出の恐れがある情報は、県庁内の各部局の情報を蓄積する共有サーバーでバックアップ用のHDに保存されていた。個人名や住所が記載された納税記録や企業の提出書類、起案文書などが幅広く含まれていたという。
HDは県が富士通リース（東京・千代田）から借りており、今春に交換時期を迎えたため返却した。同社は情報機器事業のブロードリンク（東京・中央）に、データが復元できないようにする作業を委託した。
ブロードリンクによるとデータ消去を担当した40代の男性社員がHDを外部に持ち出し、オークションにかけたことを認めているという。同社は6日、警視庁大森署に窃盗事件として被害届を提出した。担当者は「重大性を認識している。大変申し訳ない」と話した。
県は富士通リースに返却する際、HDを初期化する作業はしていた。ただ、復元用のソフトウエアを使えばデータが閲覧できる状態だった。
出品されたHD18本の半数は既に県が回収したが9本が未回収という。現時点で県は情報が悪用された形跡は把握していないとする。県の担当者は「再発防止に努める」という。
サーバーを県に貸していた富士通リースは「事実関係を確認中で、コメントできることはない」としている。
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December 06, 2019 at 09:20AM
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